経理のアウトソーシングを検討している方に向けて、バイリンガルの経理アウトソーシングを利用するメリットを解説します。
外資系企業や海外と取引をしている企業では、英語力を求められるシーンが多いでしょう。
経理業務でも同様で、専門用語が多いため、英語では理解や説明が難しいと感じることも多くあります。
そこで今回の記事では、バイリンガルの経理アウトソーシングを利用するメリットについてご紹介します。
参考にしていただくことで、自社でバイリンガルの経理アウトソーシングを導入すべきか、またそのメリットを理解できるでしょう。
経理に英語が求められる企業
まずは経理に英語が求められる企業の特徴について3つの観点からご紹介します。
①海外に本社のある外資系企業
海外に本社のある外資系企業であれば、バイリンガルを経理担当にするメリットが大きく感じられるでしょう。
経理業務における公用語が英語であることも少なくありません。
また会計報告も日本の基準ではなく、国際会計基準が採用される場合もあります。
外資系企業であれば、必然的に経理に英語力が求められます。
②海外に支社を置く日本国内企業
海外に支社を置く日本国内企業の場合も、経理業務で英語が必要となります。
子会社が海外にある場合、その会計データを日本の会計基準に合わせる必要があるためです。
しかし海外の会計が英語で記されることはありますし、子会社の会計担当者との連絡のために英語が必要となることもあるでしょう。
海外に支社を置くのであれば、経理担当者は英語を理解できることが望ましいと言えます。
③海外企業と取引のある日本国内会社
日本国内会社であっても、海外企業と取引があるようならバイリンガルの経理に大きなメリットが感じられるでしょう。
海外企業との取引では、英語は欠かせないスキルです。
英語が理解できれば海外企業の米国式経理も理解しやすいでしょうし、米国式経理を日本基準で置き換えられるはず。
海外企業と取引を行うのであれば、日本国内企業であっても英語を理解できる経理担当者を据えるべきです。
英語を使う経理とは?
英語を使う経理には「英文経理」と「英文会計」の2種類があります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
英文経理
英文経理とは、英語で行われる経理業務のことです。
会計基準は日本であって、日本における経理処理を英語で行う業務であると考えてください。
主に次のような業務を英語で行います。
【英文経理の業務内容】
- 伝票を処理したり管理したりする
- 経費を精算する
- 資料や報告書を作成する
- 英文の資料をチェックする
- 業務進捗に関する報告をする
- 海外からの問い合わせに対応する
経理の知識を備えたうえで英語能力があることが求められます。
伝票の処理や経費精算などの基本的な経理業務から、資料・報告書の作成までを行うのが英文経理です。
しかし基本的に日本の会計基準に従って業務を行うため、海外の会計基準を知らなくても業務を遂行できます。
英文会計
英文会計とは、米国基準(US GAAP)に基づいて会計業務を行うことを指します。
英文経理では日本式の会計基準に従いましたが、英文会計ではアメリカ式の会計基準に従うことが最大の違いです。
さらに経理業務を英語で行うため、アメリカ式の会計基準への知識があることに加え、英語能力を求められます。
外資系企業で働いたり、取引先に海外企業がある場合に求められるのが英文会計です。
英文経理・英文会計の関連資格
英文経理や英文会計ができることを証明する資格はさまざまにあります。
バイリンガルの経理にメリットを感じるなら、次のような資格を保有している従業員を採用しましょう。
①英語の資格(TOEIC・IELTSなど)
まずはTOEICやIELTSなどの英語に関する資格です。
TOEICなら730点以上で外資系企業に対応できる英語能力だと判断できます。
IELTSであれば5.5~6.5くらいのスコアがあれば問題ないでしょう。
いずれも国際的な資格であり、実践の場で英語を駆使できるかどうかをはかるための基準となります。
TOEIC以外にもTOEFLと呼ばれる試験がありますが、TOEFLはTOEICよりも難易度が高いとされています。
そのため保有者は少ないかもしれません。
しかしライティングやスピーキングも試験範囲とのなるため、保有していればTOEICよりも高い英語能力であると判断できます。
バイリンガルの経理担当者を雇用するなら、TOEICやIELTSなどの資格を保有している人を選べば問題ないでしょう。
②経理・会計の資格(IFRS検定・BATIC・USCPAなど)
経理・会計関連の資格を持っているとさらに心強いものです。
IFRS検定やBATIC、USCPAなどが代表的。
それぞれの資格の特徴についてご紹介します。
【資格ごとの特徴】
- IFRS検定:国際基準の会計知識を身に着けていることを証明する国際資格
- BATIC:IFRSと同レベルのビジネス英語を身に着けていることを証明する国際会計検定
- USCPA:すべて英語で行われる試験であり、経理・会計・英語の知識を持つことを証明
いずれもアメリカ式の会計に関する知識を問われる資格ばかりです。
さらにBATICやUSCPAでは英語力も問われるため、いずれかに合格していれば、英語での経理に適した人材と判断できます。
バイリンガルの経理アウトソーシングを活用するメリット
英語が求められる経理と関連資格について解説してきました。
しかし英語ができる経理担当者がほしいと考えても、条件を満たす人物を見つけることは簡単ではありません。
そこでおすすめなのがバイリンガルの経理アウトソーシングの活用です。
バイリンガルの経理アウトソーシングを活用することにはどのようなメリットがあるのか、5つの観点から解説していきます。
関連記事:バイリンガル経理担当者育成のコツ&アウトソーシングのメリット
メリット①英文の請求書や契約書を正確に処理できる
ひとつめのメリットは、英文の請求書や契約書を正確に処理できることです。
英文で記載された書類は、英語力が高い人でなければ訳すだけでかなりの時間を割いてしまうでしょう。
訳したとしても、翻訳ミスがあるかもしれません。
しかしバイリンガルの経理アウトソーシングでは、ネイティブレベルの英語力を持ったスタッフが担当するためミスがありません。
英語を翻訳する手間が不要となり、経理業務をスムーズに進められます。
請求書や契約書など、専門的な単語が並ぶ書類も正確に処理できることが最大のメリットだと言えます。
メリット②国際会計基準(IFRS)に対応できる
国際会計基準に対応できることもメリットのひとつです。
日本人の経理担当者で国際会計基準に対応できる人物は多くありません。
しかしバイリンガルの経理アウトソーシングであれば国際会計基準への知識もあり、外資系企業にもスムーズに対応できます。
これから国際会計基準への知識を持つ経理担当者を探して雇用するよりも、手間も時間も削減しながらより高レベルな経理を実現できるでしょう。
メリット③海外の取引先と英語でコミュニケーションできる
海外の取引先と英語でコミュニケーションできるようになることもメリットであると言えます。
英語力がある人物を雇用したとしても、ビジネス英語では専門用語も多く、スムーズなコミュニケーションを取りにくいものです。
しかし海外企業での経験があれば、ビジネス英語でも問題ありません。
バイリンガルの経理アウトソーシングでは、海外企業での雇用経験を持つスタッフも多く、海外企業でのコミュニケーションも難なくこなせます。
メリット④海外進出やグローバル展開がスムーズになる
メリットとして、海外進出やグローバル展開がスムーズになることもあげられるでしょう。
これから海外進出をしたいと考えても、言語や制度の壁が問題になることは多いものです。
そのようなときにバイリンガルの経理アウトソーシングは、海外進出のための心強い味方となります。
英語でのコミュニケーションも可能ですし、海外の税務についての知識も持っているためです。
海外進出やグローバル展開を検討されているなら、バイリンガルの経理アウトソーシングに大きなメリットを感じられるでしょう。
メリット⑤英語での監査・税務にも対応できる
最後に、英語での監査や税務に対応できることについてです。
IFRSやUS GAAPに精通したスタッフが在籍しているため、監査や税務にもしっかりと対応できます。
第三者機関による監査だけでなく、内部監査や会計監査にももちろん対応可能です。
英語での監査や税務対応に課題を感じている場合は、バイリンガルの経理アウトソーシングを検討してみてください。
バイリンガルの経理アウトソーシングにはさまざまなメリットが
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことでバイリンガルの経理アウトソーシングのメリットについてご理解いただけたと思います。
海外企業とのやり取りは会計基準の違いや言語の壁によって阻まれることが多いものです。
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これまで難しかった英語でのやり取りや、英語の請求書・契約書の処理も一括してお任せいただけます。
経理業務における英語対応に課題を感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。

