経理代行の料金相場を比較!業務別費用と費用を抑えるコツ

経理代行を検討する際は、依頼できる業務や料金相場だけでなく、税務・社会保険手続きの資格制限、情報管理、契約条件まで確認することが大切です。
記帳や請求書処理、給与計算などを外部へ任せれば、社内の負担軽減や属人化の緩和が期待できます。

本記事では、業務別の費用目安、料金を左右する要素、依頼先ごとの特徴、メリット・デメリット、費用を抑える方法までの流れを分かりやすく解説します。

このページの監修者
松下 省治
株式会社アイエーピー 代表取締役
専門は、国際税務、国際会計、国際組織再編。経歴はサン・マイクロシステムズ(株)およびSunMicrosystem Inc. 日本及び米国で勤務を行い、国際税務及び米国基準での会計に携わる。デル(株)経理財務部長として日本4社の経理部門の統括を行う。シトリックス・システムズ・ジャパン(株)日本および韓国法人の管理部門統括本部長。

経理代行の料金相場の目安

経理代行の料金は、依頼する業務、処理件数、従業員数、資料の状態などによって変わります。
公開料金だけでは総額を判断しにくいため、業務別の料金体系と追加費用を確認することが重要です。

ここでは、記帳、給与計算、決算支援、追加業務の費用目安を解説します。

記帳代行の費用相場(仕訳数別の目安)

記帳代行の料金は、月間の仕訳数や証憑の状態、使用する会計ソフトによって決まることが一般的です。
公開料金では、仕訳数が少ない場合に月額数千円から提示される例がある一方、100件を超えると10,000円台から数万円になる場合があります。

なお、紙資料の整理や部門別集計、消費税区分の確認などは追加料金になりやすいため、基本料金に含まれる件数、超過単価、修正対応まで確認しましょう。

給与計算・年末調整の料金相場

給与計算は、基本料金に従業員1人当たりの単価を加える料金体系が多く、勤怠集計、賞与計算、住民税更新などの有無で金額が変わります。
また、申告書の回収やデータ入力などの補助業務と、年税額の判断や源泉徴収票等の税務書類作成では取扱いが異なります。

そのため、税務判断・税務書類作成を外部へ依頼する場合は、税理士等が担当する体制を確認してください。
くわえて、対象業務と年間総額を見積もりで確認しましょう。

決算・税務申告代行の費用相場

決算や税務申告の費用は、法人か個人事業主か、売上規模、仕訳数、消費税申告の有無、帳簿の整理状況などで変わります。
公開料金では数万円から数十万円の例がありますが、公的な統一相場ではありません。

また、決算資料の整理と税務申告では担当できる業務が異なり、申告書作成や税務相談は税理士などの資格者へ依頼する必要があります。
さらに、電子申告や修正対応が料金に含まれるかも確認してください。

請求書発行など追加オプション業務の相場

請求書発行、領収書整理、入金消込、支払予定表の作成などは、基本プランとは別のオプション料金になる場合があります。
料金は1通ごとの従量課金や月額固定など、事業者によってさまざまです。

また、郵送費やシステム利用料、急ぎの処理、取引先への連絡などが別料金になることもあります。
そのうえで、必要な業務と月間件数を整理し、基本料金に含まれる範囲と追加単価をそろえて比較しましょう。
依頼件数が変動する場合は、料金の上限も確認すると安心です。

経理代行の料金を決める4つの要素

経理代行の料金は、仕訳数や従業員数だけでなく、依頼範囲、業務の難易度、対応方法によっても変わります。
見積もりの精度を高めるには、自社の取引量や必要な支援を事前に整理することが大切です。

ここでは、料金を左右する4つの要素を解説します。

月間の仕訳数・取引ボリューム

月間の仕訳数や取引量は、記帳代行の料金を左右する代表的な要素です。
売上、仕入れ、経費、入出金などの取引が多いほど入力や確認の作業量が増え、料金も高くなる傾向があります。
ただし、同じ仕訳数でも、資料が整理されている場合と、紙の証憑を分類する必要がある場合では工数が異なります。

そのため、見積もりを依頼する前に、過去数か月の仕訳数と資料の提出方法を確認し、繁忙期の増加分も伝えましょう。
取引の種類が多い場合は、件数だけでなく内容も共有してください。

従業員数と給与計算の対象人数

給与計算の料金は、対象人数が増えるほど高くなる料金体系が一般的です。
従業員ごとに勤怠、基本給、残業代、手当、控除額を確認するため、雇用形態や勤務体系が複雑な場合も作業量が増えます。

また、賞与計算、年末調整、住民税更新、入退社時の処理などは追加費用になることがあります。
さらに、正社員、パート、役員を含む対象人数と年間業務を整理し、基本料金と1人当たりの単価を確認しましょう。
勤怠データの形式や締め日も、作業量を左右する要素です。

依頼する業務の範囲と難易度

経理代行は、記帳だけを依頼する場合と、請求書発行、経費精算、入出金管理、月次報告まで任せる場合で料金が異なります。
さらに、複数店舗や部門別の集計、外貨取引、特殊な会計処理が必要な場合は、確認工程が増えるため費用が上がることがあります。

なお、不要な業務まで含めると総額が膨らむため、自社で対応できる作業と外部へ任せたい作業を分け、成果物や締め日まで具体的に伝えましょう。

訪問対応・オンライン対応の違い

訪問対応では、担当者が自社へ出向いて資料を確認したり、対面で打ち合わせを行ったりします。
相談しやすい一方、交通費や移動時間が料金へ加算される場合があります。
オンライン対応は、クラウド会計や共有ツールを使うため、場所を問わず依頼しやすく、費用を抑えられることもあるでしょう。

ただし、データ共有や連絡方法を整える必要があります。
したがって、訪問頻度や対応時間、追加費用を確認し、自社に合う方式を選びましょう。

依頼先別に見る経理代行の料金と特徴

経理代行の依頼先には、税理士事務所、公認会計士事務所、経理代行会社などがあります。
それぞれ対応できる業務、専門性、料金体系が異なるため、依頼目的に合わせた選択が必要です。

ここでは、依頼先ごとの特徴と費用を比較する際のポイントを解説します。

税理士事務所に依頼する場合の費用感

税理士事務所では、記帳代行に加えて、税務相談、税務申告、税務調査への対応まで相談できる場合があります。
料金は、月額顧問料、記帳料、決算申告料などに分かれることが多く、売上規模や仕訳数、訪問回数によって異なるのが一般的です。

一方、請求書発行や経費精算などの日常業務には対応していない事務所もあります。
そのため、税務と日常経理のどちらを重視するか整理し、基本料金に含まれる業務と追加費用を確認しましょう。
顧問契約の有無や相談回数も、料金へ影響する要素です。

公認会計士事務所に依頼する場合の費用感

公認会計士事務所は、会計監査、内部統制、上場準備、財務に関する支援を得意とする場合があります。
ただし、すべての公認会計士事務所が日常的な経理代行や税務申告へ対応しているとは限りません。

また、税務業務を依頼する場合は、税理士登録や税理士法人との連携も確認が必要です。
料金は業務の専門性や担当者の稼働時間によって変わるため、記帳中心か、管理体制の整備まで求めるかを明確にして見積もりを取りましょう。
必要以上に高度な支援を含めないことも、費用調整につながります。

経理代行会社(アウトソーシング会社)の費用感

経理代行会社は、記帳、請求書処理、経費精算、入出金管理など、日常的な経理実務を幅広く支援します。
月額固定や従量課金、業務別パッケージなど料金体系が多く、必要な業務だけを組み合わせやすい点が特徴です。
ただし、税務相談や税務申告、社会保険手続きは資格者でなければ対応できません。

そのため、担当体制、使用できる会計ソフト、再委託の有無、資格者との連携方法まで確認して選びましょう。
業務量が増えた場合の料金改定条件も確認してください。

経理代行を導入するメリット

経理代行を活用すると、経理担当者の負担軽減や業務の標準化、コア業務への集中が期待できます。
ただし、効果は委託範囲や社内の管理体制によって異なるものです。

ここでは、人材やコスト、品質、属人化の観点から、主なメリットを解説します。

経理担当者の人手不足やコスト負担を解消

経理代行を活用すると、人手不足や採用・教育に伴う負担を軽減できる場合があります。
新たな担当者を雇用する場合と比べ、採用費や教育費、引き継ぎの負担を抑えられるでしょう。
また、繁忙期だけ業務を追加するなど、業務量に応じた調整もしやすくなります。

ただし、委託料や社内の管理時間を含めると割高になる場合もあります。
人件費だけでなく、年間の総コストと業務継続性を比較してください。
導入後は、削減できた時間や費用を定期的に確認しましょう。

専門家の知識で業務品質が向上する

経理実務に詳しい担当者や確認体制を持つ事業者を選べば、処理品質の安定が期待できます。
複数人による確認や月次報告を取り入れれば、業務品質も安定しやすくなるでしょう。

ただし、担当者の経験や保有資格、チェック体制は事業者によって異なります。
したがって、税務や社会保険の判断が必要な場合は資格者の関与を確認し、自社でも成果物を定期的に点検しましょう。

属人化を防ぎコア業務へ集中できる

業務手順を文書化し、複数人で対応する体制を整えれば、属人化を緩和しながらコア業務へ時間を配分しやすくなります。
また、記帳や請求処理などの定型業務を外部へ任せることで、社内の人材を営業、商品開発、経営分析などへ振り向けやすくなる点もメリットです。

ただし、委託先へ任せきりにすると、新たなブラックボックス化が生じます。
そのため、自社にも確認担当者を置き、データや手順書を共有したうえで、委託後に生まれた時間の活用方法も、あらかじめ決めておきましょう。

経理代行を導入する前に知っておきたいデメリット

経理代行には業務負担を軽減できる利点がある一方、社内ノウハウの低下や情報漏洩、資格業務に関する注意点があります。
委託先へ任せきりにすると、引き継ぎや確認が難しくなる場合もあるでしょう。

ここでは、導入前に確認したい主なリスクと対策を解説します。

社内に経理ノウハウが蓄積しにくい

日常の経理処理を外部へ広く任せると、社内担当者が仕訳や月次締めを経験する機会が減り、ノウハウが蓄積しにくくなります。
また、委託先の変更や内製化を行う際に、自社が業務内容を把握していなければ、引き継ぎが難しくなるでしょう。

具体的な対策として、業務手順書、勘定科目の判断基準、月次報告を自社でも保管し、確認担当者を置きます。
定期的な説明や改善報告を契約へ含め、担当変更時の引き継ぎ方法も、事前に取り決めておきましょう。

情報漏洩などセキュリティ面のリスク

経理代行では、取引先情報、口座情報、給与データなどの機密情報を外部へ共有するため、情報漏洩や不正アクセスへの対策が必要です。
そのため、委託先を選ぶ際は、通信や保存時の暗号化、アクセス権限、端末管理、従業員教育、再委託先の管理を確認しましょう。

なお、認証の取得は判断材料になりますが、安全を保証するものではありません。
秘密保持、事故時の報告、契約終了後のデータ削除も契約書へ明記してください。

税理士法に抵触する業務範囲に注意

記帳、資料整理、請求書処理などの経理事務を外部へ委託すること自体は可能です。
一方、報酬を得て行う税務代理、税務書類の作成、税務相談は税理士法で制限されており、原則として税理士などの資格者へ依頼する必要があります。

ただし、無資格の経理代行会社が税額を判断したり、申告書を作成したりする契約は避けましょう。
依頼前に、税務業務の担当者、契約関係、追加料金を確認することが大切です。

経理代行の費用を抑える5つのコツ

経理代行の費用を抑えるには、単に安い事業者を選ぶのではなく、依頼範囲や資料の提出方法を見直すことが重要です。
クラウド会計の活用や条件をそろえた見積もり比較も役立ちます。

ここでは、無駄な追加費用を防ぐ5つの方法を解説します。

依頼する業務範囲を明確に絞り込む

経理代行の費用を抑えるには、現在の業務を洗い出し、外部へ任せる作業と自社で対応する作業を分けることが重要です。
記帳、請求書発行、給与計算などをすべて委託すると負担は減りますが、必要性の低い業務まで含めれば料金も上がります。

まず、作業時間が長い業務や専門性が必要な業務へ優先順位を付けましょう。
また、成果物、処理件数、締め日まで明確に伝えることで、不要なオプションや追加作業を避けやすくなります。

提出書類を整理してから依頼する

領収書や請求書、通帳明細などが整理されていない場合、委託先で分類や確認の作業が増え、追加料金が発生することがあります。
依頼前に月別や取引先別へ分け、必要な資料がそろっているか確認しましょう。
また、ファイル名や提出期限を統一すると、確認の往復を減らせます。

ただし、整理作業そのものが負担であれば、無理に自社で行う必要はありません。
資料整理を依頼した場合の料金も含め、総コストで比較してください。

クラウド会計ソフトを併用して自動化する

クラウド会計ソフトを利用すると、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、入力や資料共有の手間を減らせます。
委託先と同じデータを確認できるため、郵送や再入力の削減にもつながるでしょう。

ただし、自動仕訳は候補を示す機能であり、すべての取引を正しく判断できるわけではありません。
そのため、連携後の確認担当者、アクセス権限、電子データの保存方法を決め、ソフト利用料を含めた費用対効果を確認してください。

繁忙期を避けて依頼時期を調整する

繁忙期の直前に短納期で依頼すると、対応できなかったり追加料金が発生したりする場合があります。
ただし、料金が一律に高くなるわけではないため、必要資料を早めに準備し、納期と特急料金の条件を確認してください。

また、依頼時期を調整できる場合は、必要資料を早めに準備し、余裕を持って相談しましょう。
開始希望日、納期、特急料金の条件を事前に確認すれば、急な依頼による追加費用や対応遅れを防ぎやすくなります。

複数社から相見積もりを取って比較する

複数社から見積もりを取ると、料金だけでなく、対応範囲や追加費用、担当体制の違いを比較できます。
ただし、各社へ異なる条件を伝えると正確に比べられません。
仕訳数、従業員数、依頼業務、資料の提出方法、希望する納期をそろえて見積もりを依頼しましょう。

また、月額料金が安くても、初期設定や修正対応が別料金になる場合があります。
年間総額、契約期間、解約条件、サポート内容まで確認することが大切です。
見積書の対象業務が同じか、1項目ずつ確認しましょう。

経理代行を依頼する流れと契約までのステップ

経理代行は、問い合わせ、ヒアリング、見積もり、契約、初期設定、業務開始の順に進むことが一般的です。
各段階で委託範囲や責任分担を確認すると、開始後の手戻りを防ぎやすくなります。

ここでは、依頼先の選定から運用開始後までの流れを解説します。

問い合わせから業者選定まで

最初に、自社が抱える課題と依頼したい業務を整理し、複数の経理代行会社へ問い合わせます。
記帳、請求書処理、給与計算などの対象業務に加え、月間の仕訳数、従業員数、使用する会計ソフトを伝えると比較しやすくなります。

また、候補を選ぶ際は、料金だけでなく、同業種での実績、担当体制、セキュリティ、資格者との連携を確認しましょう。
回答の具体性や説明の分かりやすさも判断材料になります。
さらに、候補を絞った後は、同じ条件で見積もりを依頼してください。

ヒアリング・見積もり・契約締結

ヒアリングでは、現在の業務フロー、処理件数、締め日、資料の保管方法、依頼したい成果物などを共有します。
見積もりを受け取ったら、基本料金だけでなく、初期設定、件数超過、修正、特急対応、システム利用の追加費用を確認しましょう。

また、契約書では、業務範囲、責任分担、支払条件、秘密保持、再委託、解約方法、データ返却を確認します。
くわえて、口頭で合意した内容も、仕様書や契約書へ反映させることが大切です。

初期設定と業務スタート後の運用

契約後は、会計ソフトの権限設定、勘定科目や部門の確認、資料提出ルール、連絡手段などを整えます。
業務開始前に一部のデータでテスト処理を行い、仕訳方針や成果物の形式に認識のズレがないか確認しましょう。

運用開始後は、処理期限、問い合わせ件数、修正内容を定期的に振り返ります。
なお、問題が見つかった場合は、担当者だけで抱えず、定例会議で原因と改善策を共有し、業務範囲や手順を見直してください。

まとめ:経理代行の料金相場と選び方のポイント

経理代行の料金は、仕訳数、従業員数、依頼する業務範囲、資料の状態、訪問・オンラインなどの対応方法によって異なります。
記帳や給与計算、決算支援などを依頼する際は、月額料金だけでなく、初期費用、件数超過、追加業務、解約時の費用まで含めて比較しましょう。

また、税務代理・税務書類の作成・税務相談を外部へ依頼する場合は税理士等、労働・社会保険関係書類の作成・提出代行を依頼する場合は社会保険労務士が担当する体制を確認してください。
そのため、複数社へ同じ条件で見積もりを依頼し、料金、対応範囲、セキュリティ、担当体制、契約条件を総合的に確認することが重要です。
自社に残す承認業務や確認担当者も明確にし、導入後は費用と効果を定期的に見直しましょう。

経理代行の料金を確認しても、「自社ではいくらかかるのか」と迷うことがあります。
株式会社アイエーピーは、記帳や請求・支払業務、月次決算など、企業の課題に合わせて経理業務を支援します。
料金や委託範囲にお悩みの方は、まずご相談ください。

□WEB:公式サイト「お問い合わせフォーム」より
□電話:03-4361-2690(平日10:00~18:00)

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